犬とフランスへ移住|準備の記録

犬連れでのフランス移住について、何件かお問い合わせをいただきました。そこで今回は、私がカランと日本からフランスへ渡ったときの準備を、もう少し詳しくまとめます。
渡航したのは2023年11月。日本の羽田空港から、エールフランスを利用しました。一緒に渡ったカランは、当時3歳、体重36kgのラブラドールです。
この記事は、私たちの渡航時の体験を振り返ったものです。これから渡航する方のために、制度についての補足は体験談と分けて記載しています。書類や航空会社の条件は、実際の出発日・経路に合わせて最新の公式案内をご確認ください。
私たちの犬連れフランス移住について
項目 | 渡航時の情報 |
|---|---|
渡航した年月 | 2023年11月 |
出発国・空港 | 日本・羽田空港 |
犬の名前 | カラン(Câlin) |
犬種 | ラブラドール・レトリバー |
年齢 | 渡航当時3歳 |
体重 | 犬の体重36kg。ケージの重さは含みません |
航空会社 | エールフランス |
11月は、私たちにとっては暑すぎず、寒すぎないと感じられる時期でした。ただし、同じ11月でも出発地・到着地や当日の天候は異なります。犬との移動では、季節の印象だけで判断せず、利用する便の受け入れ条件も確認したいところです。
渡航前の準備:まず接種記録と書類を確認
私たちが行った準備を、確認する内容ごとに整理しました。何か月前に何をすべきかは、接種歴や出発日によって変わるため、以下は一律の期限を示すスケジュールではありません。
1. マイクロチップの確認
まず確認したのが、カランのマイクロチップです。
海外へ犬を連れて行く際には、犬の個体識別情報と各種証明書の情報が一致していることが重要です。私たちも、カランのマイクロチップ番号を確認し、渡航に必要な書類の準備を進めました。

特に、マイクロチップによる個体識別と狂犬病ワクチンの接種には順序が関係するため、「マイクロチップが入っているから大丈夫」と考えず、いつ装着・登録され、ワクチン接種記録とどのようにつながっているかを確認しておくと安心です。
渡航を予定している場合は、早い段階でマイクロチップの情報を獣医師や動物検疫所に確認してもらうことをおすすめします。
現在の条件については、欧州委員会のペット移動案内をご確認ください。
2. 狂犬病ワクチンの接種記録
次に確認したのが、狂犬病ワクチンの接種記録です。
ワクチン証明にはワクチンの種類がなく獣医さんに確認すると英文のワクチン証明書を作成してくださり、その後の確認がスムーズでした。
カランの接種日は、次のような記録でした。
2020年4月20日
2021年4月4日
2022年4月2日
2023年5月4日





ここで気をつけたかったのは、「毎年接種している」という認識だけでは、渡航書類上の接種の継続性まで判断できないということです。
私の記憶では、2021年の接種は、その後の接種との継続性を確認する際に有効なものとして扱われませんでした。
ただし、「翌年の接種が2日遅れたら必ず無効」という意味ではありません。判断には、証明書に記載されたワクチンの有効期間や、マイクロチップによる個体識別が行われた時期などの確認が必要です。
ご自身の犬の接種記録については、獣医師や動物検疫所に実際の証明書を見てもらって確認することをおすすめします。
現在の公式案内では、狂犬病ワクチンについて、マイクロチップによる識別との順序や、前回接種の有効期間内に追加接種しているかなどの条件が示されています。私たちの2023年の体験と、現在すべての犬に適用される条件は分けて考えることが大切です。
詳しい条件は、欧州委員会のペット移動案内で確認できます。
私たちは年のため5種ワクチンの証明書も添付しました。
3. 狂犬病抗体価検査は、接種回数だけで判断しない
カランは2022年・2023年にも接種しており、私たちの日本からフランスへの渡航では、狂犬病の抗体価検査は受けずに手続きを進めました。
ここは、以前の説明から補足したい点です。「ワクチンを2回以上接種していれば抗体検査が免除される」という一般的なルールとしては案内できません。
EUの公式案内では、抗体価検査の要否には出発する国・地域などの条件が関わり、指定された国・地域からの移動には例外が設けられています。接種回数だけで判断せず、出発国と経由地を伝えて確認してください。欧州委員会:対象国・地域と抗体価検査の扱い
また、フランスへ入るための準備と、日本へ帰国するための準備は別です。 将来カランと日本へ戻る可能性を考えるなら、フランスへの入国条件だけで準備を終えず、日本側の条件も確認する必要があります。動物検疫所:指定地域以外から犬・猫を日本へ連れてくる場合
4. 動物健康証明書と動物検疫所との事前確認
EU向けの動物健康証明書(Certificat de santé)については、日本の動物検疫所で最終的な確認と証明書の発行を受けました。
助かったのは、出発前に検疫担当者とメッセージでやり取りし、書類をチェックしてもらえたことです。英文のワクチン証明書などを準備する段階で確認を進められたので、私たちの場合はスムーズでした。
これから準備するなら、問い合わせる際に次の情報を整理しておくと、話を進めやすくなります。
出発予定日と利用する空港
出発国・到着国・経由地
マイクロチップの記録
狂犬病ワクチンの接種日と証明書
航空会社から案内された必要書類
証明書は「先に用意しておけばいつでも使える」ものとは限りません。様式や発行時期の条件は、渡航時点の公式案内と動物検疫所で確認してください。欧州委員会:動物健康証明書を含む入国条件




航空会社選び:エールフランスに決めた3つの理由
36kgの大型犬と一緒に移動するため、私は数社の航空会社に問い合わせて比較しました。料金だけではなく、犬について質問したときの説明や、ケージの条件も大切な判断材料でした。
1. ペット対応に慣れた受け答えに安心した
エールフランスへ犬の話をした際、スタッフの方から慣れた様子でスムーズに回答をいただけたことが印象に残っています。
大型犬との海外移動は、確認したいことがいくつもあります。その質問を受け止めて案内してもらえたことが、私には安心材料になりました。これは、当時私が問い合わせたときの体験です。
2. 比較した中で、ケージのサイズ条件が合っていた
当時、私が問い合わせた航空会社の中では、エールフランスで案内されたケージのサイズ条件が最も大きく、カランのためにゆとりを考えられたことも決め手でした。
ただし、ケージは大きければ何でもよいわけではありません。購入前に、利用する便で受け入れ可能な寸法・構造と、犬に合ったサイズを確認することが大切です。
カランの「36kg」は犬だけの体重です。航空会社へ相談するときは、犬の体重に加えてケージの重さと外寸も伝えられるようにしておくと安心です。現在の条件はエールフランス公式のペット同伴案内で確認できます。
普段カランはゲージにはいっていなかったため、出発の数ヶ月前に購入しゲージの中で過ごす練習をしました。

3. 機体や便についても相談できた
スタッフの方からは「最新の機体は揺れが少ない」という説明を受け、該当する便名も案内していただきました。便の選び方まで親切に相談に乗ってもらえたことが心強かったです。
これは、私が当時受けた説明として紹介しています。新しい機体なら必ず揺れない、犬への負担がなくなる、という保証ではありません。機材変更の可能性も含め、予約する便についてその都度確認してください。

ケージが車に入らない!大型犬ならではの落とし穴
書類や航空会社の条件に目が向きがちですが、ケージをどう運ぶかも大事でした。
準備の段階で一番大きなケージを買ったものの、なんと自家用車に入りませんでした。フランスを出国する際には、大きなバンを借りることに。犬のためには広くしたいけれど、そのケージを運ぶ車も必要だったんですね。ハピネスな(?)ハプニングでした。
このバンの話は、今回の2023年11月の日本出発とは分けて、フランス出国時の経験として記しています。
大型犬と移動するなら、飛行機に載せる条件だけでなく、次の点も事前に確認しておきたいところです。
ケージの外寸が車の荷室に収まるか
荷室の広さだけでなく、ドアの開口部を通るか
スーツケースなど、ほかの荷物も一緒に積めるか
到着後の移動手段でもケージを運べるか

羽田空港での出発前:カランを見送るまで
羽田空港では、フライトのぎりぎりまで、カランと一緒に受付で待機していました。そして、いよいよケージに入ってチェックインする時間に。
手続きでは、書類へのサインも必要でした。その内容は、私にとって読んで受け止めるのが本当につらいもので、サインをする前に涙が出てしまいました。
準備を重ねてきても、カランを預ける瞬間はやはり不安でした。無事にフランスで会えますように。そんな気持ちで、ケージに入ったカランが台車で運ばれていくのを見送りました。
ゲージに取り付ける水飲みをかいましたが、没収されてしましました。


フランスに到着:カランとの再会
フランスに到着すると、私は急いでカランのもとへ向かいました。荷物の受け取りエリアの端から、ケージに入ったカランが出てきました。スーツケースよりも先に姿を見ることができ、ほっとしました。
早くケージから出してあげたかったのですが、留めてあった結束バンドがなかなか取れず、少し焦りました。それでも、刃物を使わずに取り外すことができ、ようやくカランと再会できました。

手荷物に入れておいてよかった、折りたたみのお皿
機内でもらっておいた水と、手荷物に入れていたお皿が、到着後すぐに役立ちました。ケージから出たカランに、その場で水と食べ物をあげることができたのです。
スーツケースを待たずに取り出せるよう、お皿を手荷物に入れておいてよかったと思いました。


荷物は夫に任せて、カランと外へ
そのあとは夫に荷物を任せ、私はカランと一緒に空港の外へ。外に出て、おしっこもできました。
長い移動を終え、一緒に外へ出られたことに、ようやくひと安心。カラン、本当によくがんばったね。
フランスで犬と暮らす住まいを探す
住まい探しでは、犬がいることを事前に伝えました。すると、「だから?何か問題でも?」と聞き返されるほど、自然に受け止めてもらえたことがありましたフランスで犬と暮らす住まいを探す
住まい探しでは、犬がいることを事前に伝えました。すると、「だから?何か問題でも?」と聞き返されるほど、自然に受け止めてもらえたことがありました。
日本から移住する私には、その反応が印象的でした。犬が家族として一緒に暮らすことを、特別なことではないと感じられた場面です。
もちろん、これは私が出会った方とのやり取りです。どの物件でも無条件に同じ対応になるという意味ではありません。犬の大きさや暮らし方を伝え、契約内容や建物の条件は個別に確認しておくと安心です。
これから犬とフランスへ移住する方へ
振り返ると、私にとって心強かったのは、英文証明書を準備してくださった獣医さん、事前に書類を確認してくださった検疫担当者、犬の移動について相談に乗ってくださった航空会社の方でした。
大型犬との移住では、一つの情報だけで決めず、「カランの場合はどうか」と個別に確認することが大切でした。犬の大きさ、接種記録、出発時期や経路が違えば、確認すべき内容も変わります。
これから準備する方は、まず次の3点を書き出すところから始めてみてください。
いつ、どこから、どの経路で渡航するか
犬の体重・ケージの寸法・ワクチンの記録
獣医師、動物検疫所、航空会社にそれぞれ確認したいこと
ボルドーでの犬との暮らしは、「ドッグフレンドリーな街ボルドー」でも紹介しています。
私の渡航時の体験や準備について聞きたいことがあれば、お問い合わせからメッセージをお送りください。2023年当時の体験としてお伝えできることを共有します。個別の書類の適否や現在の渡航条件については、関係機関への確認をお願いします。
体験した時期:2023年11月/記事公開日:2026年10月3日
本記事は個人の渡航体験です。公式案内の確認日:2026年10月3日。手続きに使う書類は、当時の資料をそのまま使わず、最新の様式をご確認ください。